私の本業でありますパラリーガルの仕事では、様々な証明書を取得する機会が多いです。そこで、ほとんどの人が詳しくは知らない戸籍について解説していきます。
戸籍ってなに?
戸籍を取ってきてくださいって言われたことはありますか?あまりないですよね。ですが、戸籍はいろいろな手続きになくてはならないものなのです。
戸籍は日本国籍を持った人の身分関係を証明する公の証明書
一般的には出生して出生届が受理されると、親の戸籍に入ります。そして結婚して新しい世帯を作ると、新しい戸籍ができ、結婚した夫婦は同じ戸籍に入ります。
夫婦が離婚をして離婚届を出すと、世帯主でない夫婦の一方はその戸籍から外れます。また、死亡すると戸籍に死亡の登録が入り、戸籍には除籍と表示されます。
また、日本の戸籍は日本国籍の人しか載せることができません。日本人が外国人と結婚した場合、その外国人の配偶者はその日本人の配偶者として名前が記載されますが、その方の戸籍はありません。
一番古い公の戸籍は明治時代のもの
戸籍は明治時代まではさかのぼることができます。一般的にはそれ以上の公の戸籍と呼ばれているものは公共団体で証明してもらえません。
ですので、明治時代に生きていた方が江戸時代に出生していれば、江戸時代の生年月日が記載されていることになります。
明治時代の戸籍は手書きですし、字体もあまり制限がありませんでしたので、解読が困難な戸籍も多くあります。
戸籍を取って確認できること
戸籍をさかのぼると、その人の婚姻歴や親族関係をすべて追うことができます。本人に離婚歴が多くて、親族でもお子さんの存在を把握していないということもあります。
そういうときにも戸籍を追うと、すべて確認することができます。(本人が認知していないなどで戸籍に記載がなければ確認はできません)
戸籍は相続の手続きなどで相続人を確認することに使われることが多いです。亡くなった方の預貯金を相続する場合にも、銀行では亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をもってきてくださいと言われます。
戸籍のとり方
戸籍を取る場合には、証明を受ける人の本籍地の役所でとることになります。本籍は住民票の住所とは違う場合があります。
本籍地がわからない人はまず、住民票がある場所の役所に行き、「本籍地の記載がある住民票」を取りましょう。住民票の本籍地欄に本籍の住所が書いてあるはずです。
ちなみに日本国籍でない方の本籍地欄には、その方の国籍が記載されています。
本籍地が住所地と違う場合には、本籍がある役所でないと戸籍をとることができないため、その役所に行く必要がありますが、ほとんどの役所は「郵送請求」を受け付けています。
郵送請求の場合には、その役所のHPより申請書をプリントアウトして記入し、手数料は郵便小為替を同封します。戸籍返送用の返信用封筒も忘れずに同封しましょう。
なお、郵便小為替は郵便局で売っています。小為替の額面は50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類です。発行できる金額は12種類だけなので、金額を組み合わせて合計で手数料になるように購入します。
最近小為替の手数料が1枚当たり100円から200円に改悪されました。なんと1枚当たり100円の増額です。できるだけ小為替の枚数を少なくできるように組み合わせる必要があります。
また、マイナンバーカードをお持ちの方は、最寄りのコンビニでも取得することができます。
意外に知らない戸籍の事実
日本の戸籍について少し形が見えたでしょうか。普段の生活だとあまり使わないものですが、知っておくと役に立つ知識だと思います。
それでは次回はもう少し掘り下げた戸籍のあれこれについてご紹介します。
おたのしみに。
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