親の介護と引きだせない預金の悩み

コラム

ちょうど40~50歳代の私たちの親はベビーブーム期の方が多く、子供としてはそんな親の体調が心配な時期にかかってきています。

実は現在の金融機関のほとんどでは、本人確認できなければ、預金を引き出すことができなくなっています。急な入院や介護に親のお金があっても、親の名義の口座より引きだして使うことができないということが普通に起こっています。

今回は、銀行で作る代理人カードがそういったトラブルの予防になりえるという話をしていきます。

親とお金の話ができますか?

日本人のほとんどが家族に対し、お金についての本音を話ことができないようです。確かに、家族であっても、お金の話って、なんか言いにくいですよね。

でも、残念ながらそのまま放置していたことにより以下のようなデメリットが考えられるのです。

デメリットその1:預金調査にもかなりの労力がいる

親が元気なうちにお金についての話をしていなかったために、いざというときにはどの金融機関にどのお金がいくらあるのか、はたまた銀行以外に株や投資信託、不動産などの資産がどれだけあるのか全く分からない。

こういったお宅はすくなくありません。どこに何があるかわからなければ、将来親の入院や介護などで大きなお金を使いたくてもそのありかがわからず、自分でそのお金を負担しなければなりません。

デメリットその2:資産の内容を知っていても

仮にあなたは親の資産がどこでどれだけあるかを、大まかに把握できたとしましょう。

親の通帳を銀行に持っていき、「私は親族なので、親の入院費のためにまとまったお金を引き出したい」と伝えても、「本人確認ができないと、引き出しはできません」といわれることが多いです。

そして「なんとか、ご本人にお見えいただけないですか?」の一点張りであることがほとんどです。

これは巷でもよく聞く話です。いくら「えっ?身内ですが」といっても銀行は聞き入れてはくれません。こうしたケースでも自分のお財布から負担をするほか方法がないということになりかねません。

まだ親が元気なうちに

それでは、将来のことを考えて、今何かをしたい。そう思っている人には何か手はないのでしょうか。

解決策その1:親とお金の話をしっかりしておく

親とはお金の話をしっかりしておくのが一番です。とっさのお金は定期預金に入れておかず、キャッシュカードやネットバンクですぐに使えるようにしておいてもらうことも大切です。

また、いざというときに、このお金を使ってほしいなどという親の希望も聞いておくといいでしょう。できれば、どの金融機関にいくら預けているのかを教えてもらうことも大切だと思います。

解決策その2:代理人カードを作っておく

大手の金融機関では、本人の他にお金の引きだしができる「代理人カード(家族カード)」というカードを作成することができます。これは、口座名義人の他に〇親等以内の身内に限り発行できると定めていることが多いです。

申請は口座名義人本人が行い、本人が持っているキャッシュカードのほかに、もう1枚身内が利用できるキャッシュカードを作成するというものです。

これなら、親に暗証番号を聞き出さなくても、堂々とATMなどでお金の引きだしをすることができます。

金融機関名代理人カードを発行できるか条件
三井住友銀行2親等以内の親族
三菱UFJ銀行生計をともにする親族1名
ゆうちょ銀行特に条件は提示されていない

親の財産を管理するには

親のより良い将来を考えていくには、家族間での話し合いは不可欠です。ちょっと話しにくい内容ではありますが、お互いのために、しっかり話をしておきましょう。

話し合いができて、親の希望も取り込んだうえで、いろいろな事前準備ができるといいですね。

とはいえ、将来、相続人となる人が複数いると、親の口座より大きな金額の引きだしがあった場合に、相続時に争いになってしまうことがあるので、親のお金とはいえ、何に使ったのか分かる資料(領収書など)はしっかり保管していきましょう。

ではまた!

参考にしたHP:

三井住友銀行「代理人指名手続」https://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/sonota/dairi/

三菱UFJ銀行「ICキャッシュカード」https://www.bk.mufg.jp/tsukau/ic_cash/index.html

ゆうちょ銀行「ゆうちょICキャッシュカードのご案内」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/chokin/sogou/kj_cho_sg_iccard.html

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