【わかると受かる】相殺できる債券できない債権

わかると受かる

相殺(そうさい)って民法によく出てくる用語ですよね。出題頻度も多い内容なのではないでしょうか。今回は相殺の基礎について私が学んだことをまとめます。

相殺とは

AさんはBさんに500万円の債権を持っています。その後、BさんはAさんに300万円を貸しました。BさんはAさんの持っている500万円の債権をBさんの持っている300万円の債権と相殺したいと申し出ました。

この場合、Aさんの債権はBさんの債権により300万円が相殺されますので、Aさんの債権は200万円となります。

相殺適状(そうさいてきじょう)

相殺をできる状態を相殺適状といいます。相殺適状は4つの条件があります。

条件のすべてを満たさないと相殺はできません。

  1. お互いに債権を持っていること。(AさんもBさんも債権を持っている)
  2. その債権が同種の目的であること。(双方ともに金銭債権)
  3. 自働債権の弁済期が来ていること。(Bさんの債権は弁済期が来ていた)
  4. 両方の債権が相殺を許さないものでない事。(相殺禁止の特約などはない)

相殺は相殺適状の時にさかのぼってすることができます。

自働債権と受働債権

相殺の単元では、自働債権と受働債権という言い方を理解する必要があります。

最初の例で行くと、債権を相殺したいBさんがもっている債権を「自働債権」といい、相殺されるAさんの債権を「受働債権」といいます。

相殺できない債権とは

相殺できない債権その1:受動債権が不法行為に基づく損害賠償請求権のとき

BさんがAさんを殴って、AさんがBさんに対して損害賠償請求権が発生しました。このAさんの損害賠償請求権(受働債権)について、殴ったBさんがAさんに対して持っている債権で相殺することはできません。

その逆で、BさんはAさんがBさんを殴って発生したAさんに対する損害賠償請求権(自働債権)をもって、Aさんに対して持っている債務と相殺することはできます。

相殺できない債権その2:自働債権が弁済期にない場合

次に、Bさんが持っている債権をAさんが持っている債権と相殺したい場合でも、Bさんが持っている債権が弁済期にない場合には、相殺できません。なぜなら、AさんはBさんに対する返済を弁済期が来ていないのに無理やり返済させられた形になってしまうからです。

ちなみにその逆は相殺ができます。 Bさんが持っている債権をAさんがBさんに持っている債権と相殺したい場合で、Aさんが持っている債権が弁済期にない場合には、相殺できます。これは、相殺したいBさんが弁済期よりも前に返済の意思を示しただけですので、特にAさんに不利益を与えることがないからです。

相殺できない債権その3:相殺禁止特約がある

債権に相殺禁止特約を付けることができます。しかし、相殺禁止特約は「特約がある事を知っている、または重大な過失により知らなかった」第三者にしか対抗ができません。

相殺できない債権その4:自働債権が差押えを受けている

Aさんが持っている債権をBさんが自分の債権と相殺したい場合でも、Bさんの債権が第三者より差押えを受けている場合には、BさんはAさんの債権との相殺をすることはできません。

相殺のポイント

相殺のポイントは相殺適状と自働債権・受働債権を抑えることにあります。

  • 相殺適状は4つの条件がないと相殺できません。
  • 自働債権は相殺する側が持っている債権です。

相殺禁止特約の第三者への対抗条件は悪意・重過失であることもポイントの一つです。

一つ一つ正確に覚えていきましょう。

ではまた!

参照した書籍

法律学小辞典(有斐閣)高橋和之

ポケット六法(有斐閣)

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