任意後見契約で老後の心配を払しょく

コラム

年齢を重ねてだんだん衰えを感じたときに、私たちの財産を守るにはどうしたらいいのでしょうか。成年後見制度は実際に本人に物事の分別がかけた場合に申し立てをするもので、将来に不安を持っていてもその備えをすることはできません。

では、任意後見契約という比較的新しく民法に登場した制度はどうでしょうか。あらかじめ信頼した人に老後の身の回りのことや財産をお願いすることができるのでしょうか。

任意後見とは

任意後見契約とは、あらかじめ本人が一番信頼した人に、将来的に自分が身の回りのことや財産について管理ができないようになったら、依頼しますという契約のことです。

本人の意思がまだ十分にある時にこの契約をすることができます。この契約をした後に、本人がそういった状況に陥った時には、その契約を受けた人などが裁判所に「任意後見監督人の選任の申立て」をします。

裁判所はその申立てを受けて、任意後見監督人を選任して、任意後見人がしっかり職務を行っているかどうかを監督する人がつきます。任意後見監督人は主に弁護士や司法書士などの専門職が選任されます。

こうして、監督人のもと、任意後見人が責任をもって本人の財産や身の回りのことについて行ってもらうことになります。

ちなみに任意監督人は裁判所への申立てで、本人の財産から報酬を受け取ることとなります。一方、任後見人は本人との話し合いで、報酬の有無また、報酬の額を決めることとなります。

任意後見契約の手続き

任意後見契約は公証人立ち合いの上、本人に契約の意思がある事を確認したうえ契約が行われます。公証人はその後、登記の嘱託を法務局に行い、登記されることになります。

任意後見契約は登記事項証明書によって契約されたことが公の書類で残ることになります。その後、本人が任意後見人が必要な状態になったら、任意後見人などが裁判所に登記事項証明書など必要書類を揃えて任意後見監督人の選任の申立てを行うという手順です。

ちなみに公証人は公証役場にいます。ほとんどがもと判事の方のようです。公証人は会社や相続など様々な証書を作成して、権利関係などを公の書面にして証明してくれます。あなたの地域にも公証役場があるはずです。

任意後見人は本人の意向に沿うことができる

こうして制度の概要を見ていくと、任意後見人は老後のそなえとして本人の意向が反映することができる制度といえるのではないでしょうか。将来自分が動けなくなったらとか、自分がわからなくなってしまったらとか、考えるのはとても苦しいことかもしれませんが、自分の財産について信頼している人に任せられるうえ、専門職の監督人や裁判所も入り、公正に管理してもらえます。

そして制度を利用することで、財産について不要な争いなどを避けることもできるかもしれません。なかなか浸透している印象がないですが、どんどん高齢化社会になりつつあるこの社会では必要な制度のように感じました。

ではまた!

参考にした資料

任意後見契約(日本公証人連合会HP)https://www.koshonin.gr.jp/business/b02

任意後見制度とは(厚生労働省HP)ttps://guardianship.mhlw.go.jp/personal/type/optional_guardianship/


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